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トルコギキョウの育て方とは?育てる際の注意点も解説

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トルコギキョウは、初夏から秋にかけて青紫色や白色の花を咲かす北アメリカ原産の植物です。優雅で上品な見た目に加えて花持ちも良いため、家庭栽培での人気が高まっています。

しかし、「栽培に失敗した」という声も少なくありません。家庭栽培での失敗は、適切な育て方を把握していないのが原因です。

そこで、本記事ではトルコギキョウの育て方について解説します。適切な育て方を把握することで、奇麗な花が咲く確率が上がるため、ぜひ参考にしてください。

1.トルコギキョウの育て方【定植編】

種から育てる場合のトルコギキョウは、次のような作業行程を経ます。

1.種まき
2.育苗
3.定植

トルコギキョウでは、苗から育てる方が育てやすいのが事実です。しかし、種から育てれば、開花した時の喜びが大きいため、育苗管理に自信がある方は挑戦するとよいでしょう。

1-1.種まき

トルコギキョウは、種まき用の培養土ポットになる園芸資材「ジフィーセブン」にまいた後、覆土をせず、受け皿の底面給水で種を育てましょう。トルコギキョウの種は、発芽に光を必要とする好光性種子であるためです。

また、トルコギキョウの種は超微細であるため、種まき用土は、粒子の細かいピートモス主体にするのをおすすめします。

種が発芽するまでは、雨風を避けられる室内の窓辺をはじめ、直射日光を浴びない場所に置きます。受け皿からの底面給水と霧吹きを併用し、種が乾かないようにしましょう。発芽までは2週間かかります。

1-2.育苗

発芽後は日に当てる時間を徐々に増やしながら、小苗を育て、本葉が見え始めるのを待ちます。

本葉が2〜4枚程度見え始めたら、鉢上げの適期です。本葉が見える程度の小苗を、用土を入れたセルトレーに入れ、ジョウロで水をかけて湿らせつつ植え付けましょう。セルトレーに植え付ける際は箸を使い、根をほぐしながら1つの穴に1本ずつ丁寧に植え付けるのが重要です。

発芽から約2週間後、本葉が伸び始めます。本葉が伸び始めたら、週に1度液体肥料を与えます。トルコギキョウの苗は小さく初期生育に時間がかかるため、用土が乾かないように注意しましょう。

本葉が伸び始めてから約2週間後、本葉が2〜3節生えてきた時がいよいよ定植(植え付け)です。

1-3.定植

鉢植え栽培では、新しい草花用の培養土に、15センチ鉢なら1〜2株、18センチ鉢なら3〜4株、プランターなら10センチ間隔に苗を植え付けましょう。深めの鉢を選ぶと、充実した株が育ちます。

トルコギキョウは日当たり・水はけがよく、有機質が豊富な弱酸性の土壌を好みます。そのため、定植前に堆肥、腐葉土、元肥を入れ、よく耕しておきましょう。土壌が酸性土の場合は、消石灰とマグネシウムを含む苦土石灰で酸度調節しておくことが重要です。

定植後は、鉢植え・露地栽培いずれの場合でもつぼみが見えるまで液肥を2週間に1回与え、水を多めに与えて育てます。開花が近づいたら水やりを控えるほか、長雨の当たらない場所に移しましょう。

2.トルコギキョウの育て方【お手入れ編】

トルコギキョウを育てる際のお手入れには、次の3つの作業があります。

・水やり
・肥料を施す
・害虫を駆除する

いずれもトルコギキョウの品質に影響を与える作業です。本記事では、作業時にどういった点を意識すべきかについても解説するためぜひ参考にしてください。

2-1.水やり

トルコギキョウの原産地である北アメリカでは生育期が雨期、開花期が乾期にあたるため、水やりは原産地で形成された生育サイクルに基づいて行います。

種からポット苗の頃までの生育初期では、たくさんの水が必要です。決して土が乾いてはいけません。

定植してつぼみが見える頃までの生育期も、多めに水を与えます。ただ、生育初期のレベルで水をあげる必要はなく、土の表面が乾いた時が水やりのタイミングです。

開花期に近づいたら、生育期ほどの水やりは必要ありません。雨の当たらない場所に移すか、雨よけをしましょう。

このようにトルコギキョウは生育期にたくさんの水が必要ですが、水のやり過ぎは厳禁です。特に鉢植え栽培では、水のやり過ぎによる根腐れが家庭菜園での失敗に挙げられます。多少の乾燥にも耐えられるため、水やりは土の表面が乾いてから与えましょう。

水が花にかかるとシミができて傷む場合もあるため、水やりは株の地際部からゆっくりと与えることも大切です。

2-2.肥料を施す

トルコギキョウの栽培では、定期的な追肥が重要です。

温暖地で栽培する場合、種まき後の10〜12月は新芽と幼苗の育成を促すため、1000倍に希釈した液体肥料を月2回ほど与えます。生育期からつぼみがつく頃は緩効性肥料を施すか、固形肥料の置き肥をしてください。

追肥の重要性は、二番花を楽しみたい場合でも変わりません。秋の二番花を楽しみたい場合は、初夏に花が咲き終わった後も追肥として緩効性肥料を与えておきましょう。

2-3.害虫を駆除する

トルコギキョウは害虫に強い植物ですが、害虫による被害をゼロにするのは難しいとされています。特に栽培に悪影響を与えるとされるのは、アブラムシとヨトウムシです。

2-3-1.アブラムシ

アブラムシは新梢先端の若い葉や茎、花に群がって寄生して株の養分を吸い取ったり、食害によりウイルスを媒介して植物に病気をもたらしたりします。

発生初期の段階で殺虫剤をまいて、増殖させないことが重要です。株がウイルスに感染した場合は速やかに抜き取り、除去しましょう。

2-3-2.ヨトウムシ

ヨトウムシは生育初期の幼苗に食害を与えるヨトウガの幼虫です。成長するにつれて分散し、葉に穴を開けるように食害します。

ヨトウムシによる食害を防ぐためには、見つけ次第に補殺することが重要です。ふ化直後から若齢幼虫期は葉裏、羽化直前期は地際部に潜伏しているため、よく確認しましょう。

3.トルコギキョウを育てる際の注意点

トルコギキョウを育てる際の注意点は、次の3つです。

・小まめに茎を剪定する
・茎の倒伏に注意する
・過湿や風通りの悪さを原因とする病気に注意する

トルコギキョウは、環境へ敏感に反応する植物です。そのため、栽培に苦労する方もいらっしゃるかもしれませんが、上記注意点に留意しながら栽培に取り組んでください。

3-1.小まめに茎を剪定する

トルコギキョウの花をより長く楽しむためには、小まめに茎を剪定しましょう。

花びらがしおれてきたタイミングでする剪定が、「花がら摘み」です。花がら摘みでは、花がらの根元から切り落とします。咲き終わった花がらを除去することで、灰色かび病の菌が付着した花を除去したり、株の体力消耗を抑えたりすることが可能です。

初夏にほとんどの花が咲き終えたら、茎を株元から3分の1ほどの位置でバッサリと切り落とす「切り戻し」を行いましょう。切り戻しにより、わき芽から新芽が出て、初秋に二番花を楽しめます。

3-2.茎の倒伏に注意する

トルコギキョウの栽培では、茎の倒伏を防ぐために、草丈が15センチくらいになる前にフラワーネットを張りましょう。

ネットは、生育状況に合わせて早めに引き上げることが重要です。遅れると、葉と歯が重なり合って引き上げの時に傷んだり、ネットを引き上げられずに倒伏して茎が曲がったりしてしまいます。

3-3.過湿や風通しの悪さを原因とする病気に注意する

トルコギキョウの栽培では、過湿や風通りの悪さを原因とする病気に注意しましょう。

高温過湿の時に発生しやすいのが、花全体の軟化腐敗を招く灰色かび病です。発生を予防するためには、換気を十分に行ったり、春から初夏にかけて消毒剤を葉の両面に散布したりしてください。

7〜8月の切り花盛期には、株全体を枯死させる立枯病が発生します。立枯病は土壌伝染性の病害のため、土壌消毒で発生を防ぐことが重要です。

4.適切な作業の手順や方法を実践して栽培を成功させよう

トルコギキョウを栽培する際は、さまざまなポイントを押さえなければいけません。例えば、種まきでは覆土をせず、受け皿の底面給水で種を育てることが重要です。また、生育期の水やりでは、土の表面が乾いた時に水を与える必要があります。

トルコギキョウの栽培では、定植までの行程やお手入れで押さえるべきポイントは多数に上るため、大変かもしれません。しかし、奇麗に咲く花を見れば、その苦労は忘れてしまうはずです。今回紹介した適切な作業の手順や方法を実践して、トルコギキョウの栽培を成功させましょう。

参考URL
https://sakata-tsushin.com/oyakudachi/lesson/flower/post_37.html
https://gardenstory.jp/gardening/32940
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-338/target_tab-2
https://sakata-netshop.com/shop/e/esowing-howto-eustoma/
https://flover-s.jp/Form/Story/hana-shurui/toruko-kikyou/eustoma-sodate-kata
https://yasashi.info/to_00017g.htm
https://www.city.koriyama.lg.jp/uploaded/attachment/3581.pdf
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/niigata_kaki13_04.pdf

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