アルストロメリアは、フラワーショップに一年中置かれていて、花束やフラワーアレンジメントによく利用されます。花の色が豊富で、色鮮やかなものからパステル調やシックな感じのものなどあって、エキゾチックな雰囲気を感じさせる花と言えます。ガーデニングでもよく栽培される花のひとつでもあります。
アルストロメリアは種や球根から育てるのも楽しいのですが、まずは初心者の方や都会にお住まいの方でも手軽にアルストロメリアを楽しんでいただけるように、苗から上手に育てるポイントを解説していきたいと思います。
1.アルストロメリアの苗の植え付け
まずは、苗を植えるところからはじめましょう。株が十分に育っている苗を植え付けることになりますから、最も植え付けが簡単です。
庭の花壇など地面に植える地植えと植木鉢に植える鉢植えがありますが、地植えの場合には成長していくにつれて根が伸びていくことを考え、丈夫な根が育つように40cmから50cmくらいの深さまで地面を耕すようにしましょう。そして根の部分が15cm程度の深さにくるように植え付けるようにしてください。
植え付けの間隔はあまり密にならないよう20cmから30cmの間隔を空けて植えるようにしましょう。
また、アルストロメリアは湿度の高い環境では根腐れを起こしやすいため、苗の周辺を10cm程度の高さに盛り上げるようにすることで、雨水などが溜まることなく適度な乾燥状態にできます。
鉢植えにする場合は、背丈が低いものであれば5~6号の鉢に1株、草丈の高いものであれば9号鉢に1株植え付けるようにするとよいでしょう。根の部分が5cmほどの深さに来るようにしてください。
2.アルストロメリアの開花までの管理の留意点
アルストロメリアの育て方について、まずは比較的小さい頃から開花期に至るまでの管理の留意点についてみていきましょう。特に、日光や通風確保のための間引き、水やり、施肥といった育て方の基本となるポイントを確認しましょう。
2-1.アルストロメリアの間引きと支柱
発芽した後のアルストロメリアはしっかりと日光を浴びることが必要です。開花まではよく日に当ててやることが必要です。
また、アルストロメリアは元々乾燥した冷涼な気候の地域を原産地とする品種ですので、高温多湿を嫌います。ですから、苗の周りに水が溜まらないように注意する必要があります。
アルストロメリアがどんどん生長してくると密集した状態になって日光をさえぎったり、風通しを悪くしたりすることがあります。
このため、貧弱な株や混み合っている株は引き抜くようにして、日光と風通しがよくなるようにしましょう。
アルストロメリアの株は多少の風では倒れることはありませんが、ひとつの株に多くの花が咲くと倒れる場合もありますので、その前に支柱を立ててやるようにするとよいでしょう。
2-2.アルストロメリアの水やりのポイント
アルストロメリアは葉が伸びている生育期においては、土の表面が乾燥してきたらたっぷりと水を与えるようにしてください。鉢植えの場合は鉢底から水が出てくるくらい与えますが、鉢に水が溜まってしまわないよう水はけに気をつけてください。
花が概ね終わって、葉の生長が止まる休眠期間になったら水を控えるようにしてください。
一方、地植えの場合はほとんど水やりの必要は無いといってよいでしょう。
2-3.アルストロメリアに肥料をやるポイント
アルストロメリアは地植えの場合と鉢植えの場合とで肥料のやりかたもやや異なります。
鉢植えでは、根を傷めないよう化学肥料を培養土と混ぜたものを与えるようにしてください。速効性の強いものより、効果が緩やかなタイプが望ましいでしょう。
発芽した後は、株の根元に粒径の大きな化学肥料を追肥するとよいでしょう。葉が緑色の間は、液体肥料も月に2回ほど与えると効果的です。
地面に植えた場合、根の張りをよくすることが大切ですので、腐葉土や堆肥、ピートモスといった有機物を土の量に対し3割程度混ぜます。追肥はほとんど必要ありませんので留意してください。
2-4.アルストロメリアが注意すべき病害虫
アルストロメリアがかかりやすい、注意すべき病気の代表が灰色かび病といってよいでしょう。灰色かび病は、葉や茎など至る所に斑点が出来て、葉や根っこを腐らせてしまいますので怖い病気です。
アルストロメリアは高温多湿に弱いためにこの病気にかかりやすく、予防のためには風通しの良い乾いた場所に置くことが大切です。
また万一灰色かび病にかかってしまった場合は、腐ってしまった場所などを取り除いて、殺菌剤を散布しましょう。
注意が必要な害虫にはアブラムシやオンシツコナシラミ、ハダニなどがあります。予防方法としては霧吹きで葉の表面を濡らす方法もありますが、大きな効果は期待できず、発見した場合に殺虫剤で駆除することが必要です。
3.アルストロメリアが開花した後の管理の留意点
アルストロメリアの育て方の3番目は開花した後の管理の留意点についてみていきましょう。特に、適切な環境の維持や剪定といった、長持ちさせるための基本となるポイントを確認しましょう。
3-1.アルストロメリアを長持ちさせる環境づくり
アルストロメリアを元気で長持ちさせるには、日本の高温多湿を避けられる環境づくりが大切です。そのため、夏の日差しが直接当たらないような覆いをしたり、地面の温度が極端に高くなったりしないよう周囲にマルチを敷くなどの点に留意してください。
鉢植えも日陰の涼しい場所に置くなどし、土が乾燥しすぎないように注意してください。
一方冬になると、地中に育ってきた球根を守るため、寒さで土が凍らないように注意する必要があります。鉢植えであれば鉢の土が凍る心配がない場所への移動や、地植えの場合は土が凍らないようマルチを敷くなどの工夫をしましょう。
3-2.アルストロメリアの剪定のポイント
アルストロメリアの花が咲いている期間は、花だけをつけている茎を切除するなどの整理をするようにしましょう。また、花が咲き終わるとすぐに種ができるので、枯れた花はこまめに摘み取るようにしてください。
芽が混み合ってきた場合は、細い枝を間引きすることで、太い枝がしっかりと育つようにしてください。また、花が咲き終わると茎を根元からカットするようにしてください。
剪定する際にハサミを使うと、切り口からウイルスに感染してしまう場合があったり、株が弱ってしまったりするため、ハサミを使わずに指で引き抜くようにして剪定するのが基本です。
4.アルストロメリアの増やし方
アルストロメリアの増やし方について少し触れておきたいと思います。
花が咲き終わってから種を採取する方法もありますが、「株分け」によって増やすのが一般的です。
アルストロメリアの株は、地下茎が分岐して太くなった貯蔵根がいくつもつき、その結合部に「クラウン」と呼ばれる芽がつきます。この「クラウン」を含むように株を分けていく「株分け」によって増やしていきます。
お気に入りの色の花をどんどん増やしていけるのも、アルストロメリア栽培の醍醐味といえるでしょう。
5.アルストロメリアを育ててみよう
アルストロメリアの育て方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
花束やフラワーアレンジメントに人気の高いアルストロメリアを、自宅の庭やベランダの鉢植えで育ててみてはいかがでしょうか?以外と簡単だということがおわかりになったのではないでしょうか?いくつかの注意ポイントに気をつけて、是非チャレンジしてみてください。
参照
https://horti.jp/3701
https://sakata-tsushin.com/oyakudachi/lesson/flower/post_59.html
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-136/target_tab-2
https://lovegreen.net/library/flower/p88855/
https://shop.takii.co.jp/simages/shop/selection/alstroemeria1106_02.html
https://shop.takii.co.jp/qa/detail/765
http://gardening123.blog38.fc2.com/blog-entry-399.html
http://xn--m9j881n25q.jp/cat19/post_87.html