気品があり、高貴な印象のバラが咲き誇るローズガーデンは、まるで中世ヨーロッパに迷い込んだような非日常感を味わうことができる素敵な空間。優雅に咲き誇るバラに囲まれた豪華なお庭に、憧れを抱いている人もいるのではないでしょうか。
一見ガーデニング初心者が栽培するには難しく感じますが、ポイントを押さえればご自宅のお庭でもバラを育てることが可能です。
今回は、初心者でもできるバラの庭の作り方についてご紹介します。
1.バラの庭をつくる際にあるといいもの
まず、バラの庭をつくる際にどんな道具が必要なのか、ご紹介します。
1-1.フェンス
バラが壁一面を彩るお家。直接壁にワイヤーなどを這わせるのも一つの手ではありますが、あまり住居に釘などを打って傷つけたくない場合は、上手に窓枠を使ったり、トレリスやフェンスなどを活用したりするのがおすすめです。
フェンスなどは、家の壁に立て掛けるように設置すると良いでしょう。もちろん、家の壁だけではなく、フェンスにバラを這わせて生垣の代わりに飾るのも素敵です。
1-2.アーチ、パーゴラ
アーチやパーゴラは、つるバラを這わせることができるため、立体的なバラを演出できます。お庭の敷地面積が狭くても存分にバラを活かして、ローズガーデンを楽しむことができるので、積極的に取り入れたいアイテムでもあります。
フェンスに収まりきらないよう生育旺盛なバラは、フェンスからアーチへと誘引していくことをおすすめします。バラを育てるのがはじめてという初心者の方は、トゲが少なく枝がしなやかなバラが誘引作業をしやすいので良いかと思います。
1-3.お手入れグローブ
基本的に、モッコウバラ以外のバラにはするどいトゲがあります。そのため、バラのトゲで怪我をしないように、トゲ対策のためのバラ専用グローブがお手入れには必須です。
一般的なガーデングローブと比べてバラ専用グローブは、革張りになっており、バラのトゲが布地を突き抜けないように作られています。
使い始めのうちは、少しゴワゴワしたように感じますが、使っているうちにだんだんと手に馴染んでいきます。サイズは、作業しやすいように手にぴったり合うものを選びましょう。
2.レイアウト作りのポイント
素敵な庭を作るには、念入りな下準備が必要になります。バラの咲いた庭をレイアウトするには、基礎となるベース作りが大切です。
いきなり地植えをすると、後々レイアウトに修正が必要になった際に植え替えるのが大変になってしまいます。アーチ、パーゴラ、ベンチ、レンガの通路など好きな資材を含めて、レイアウト計画を練っていきましょう。
ここでは、レイアウト作りのポイントについてご紹介します。
2-1.事前にイメージ図案を用意する
まずは平面図で何をどこにレイアウトするのか考えます。そしておおまかな平面図案をもとに立体的にイメージを膨らませていくと計画を練りやすいです。
バラの開花時期が最高の瞬間となるように、バラをフォーカルポイントになる位置に持ってくるようにしましょう。
イメージ図案を考える際に、ポイントとなるのは下記項目です。
*曲線の活かし方
柔軟で、しなやかに姿形を変形できるバラ。
せっかくならバラの魅力を最大限に発揮できるように、直前的でスタイリッシュなレイアウトではなく、奥行きを感じられるような曲線を活用したレイアウトにしていくと良いでしょう。
*バラのトゲを配慮する
基本的に、トゲの少ないモッコウバラ以外のバラは、枝や茎にトゲがあるものです。
庭の通路に植える際には、バラのトゲが通路を通る人にあたらないか事前に確認しておくと安心です。
人が通ることが確定している場所や、アーチに絡めるのであれば、トゲで家族や客人を傷つけないように、空間に余裕を持たせましょう。
*お手入れを考慮する
バラはこまめなお手入れが必要な植物です。花がら摘みなどの日々のお手入れをすることを考慮して、通路以外の足元にはストーンなどの資材を敷いておくのがオススメです。
2-2.どこにバラを植えるか
いざ庭にバラを植えるとなると、どのような場所に植えれば良いのか悩んでしまうかもしれません。
しかし、バラは比較的丈夫な植物なので、あまりにも日当たりの悪い場所を避ければ、たいていどんな場所でも育てられます。もしも、バラを育てるのに適した場所なのか不安な場合は、いきなり地植えせずに、大きめの鉢植えから育てはじめても良いです。
つる性のバラは窓の周りや壁面、フェンスやアーチに適しています。あまり株元に日が当たらなくても、上に伸びた部分での光を浴びることができます。
モッコウバラのようにトゲが少ない品種や香りの良い品種は、エントランスなど人がよく通る場所に植えると良いでしょう。
2-3.どの植物と組合せるか
庭作りにおいて、一年を通してイメージ図案を考えることも大切であり、どの植物と組合せるかというのも重要なポイントです。
他の植物と一緒に植えることで、より一層バラの開花期を引き立ててくれます。
また、シーズンオフの冬の時期も庭の印象が寂しくならないようにするために、花壇や鉢植え、芝生や常緑樹、ペレニアル(多年草・宿根草)のような他の植物も含めてレイアウトしましょう。
*バラと一緒に開花を楽しむ植物
バラと一緒に開花を楽しむ植物に関しては、庭の統一感を持たせるためにもバラの花色に配慮した色合いの植物を選びましょう。
あくまで、バラが主役として引き立つように意識すると組み合わせを選びやすいかと思います。
*バラが咲き終わった後に庭を彩る植物
バラが咲き終わった後に庭を彩る植物に関しては、バラの花色にとらわれずに好きなものを選べます。
一季咲きのバラを植えた場合は、バラの咲く時期が短期間です。そのため、バラが主役にならない時期は、自分の好きな花を選んで庭作りを満喫してください。
3.ガーデニング初心者におすすめのバラ
ガーデニング初心者におすすめのバラについてご紹介します。
3-1.病害虫に強い
ほとんどのバラは、病気や害虫に弱く、被害を受けやすいです。適宜殺虫剤や殺菌剤を使用しなければ、黒星病や虫害によって葉が全部落ちる、なんてこともあり得ます。こういった点について、『バラは手間がかかる植物』と認識されている方もいるもしれません。
ところが、バラ初心者の方でも育てやすい、病害虫に強いバラも存在します。
品種改良によって、病害虫に強く、薬剤などの手間をかけなくても育てやすいバラの品種が開発されています。
はじめてバラを栽培するのでしたら、病害虫に強いバラを選びましょう。
3-2.四季咲きを楽しめる
バラの花は美しいですが、一年に一度咲くだけでは少しもったいないような気がしますよね。
そんな方にオススメなのが、一年に何回もバラを楽しむことができる、四季咲き性のバラです。
ただし、開花期が長い分だけ花がら摘みなどの必要なお手入れ回数も増えるので、注意が必要です。
3-3.耐病性がある
2022年代19回世界バラ会議アデレート会議においてバラの殿堂入りを果たしたフラワーカーペットローズ。このバラは、数多くあるバラの品種の中で最も耐病性のある品種の一つと評価されました。
ほぼ絶え間なく株一面に花が咲き、花がら摘みや剪定、薬剤散布などの手間が最小限で済むとされています。
4.初心者でもバラの庭を作れる
バラは育てるのに手間がかかると思われがちですが、品種によって初心者の方でも栽培しやすいものがいくつかあります。
はじめにバラを育てるシミュレーションをしつつ、具体的にイメージ図案を考えることで誰でも自分の理想のバラの庭を作ることが可能です。
憧れのローズガーデンをお家で楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考サイト
0から始めるバラの庭の作り方【ローズガーデン入門】
https://hakusan1.co.jp/magazine/rose_garden/